人類は果てしなく発展を求め、経済行為優先のハイテクノロジーの世の中は、相変わらず更なる追求を続けておりますが、1995年事務所の開設にあたり、そろそろもっと本来の人間らしさに目を向ける必要性を強く感じて、活動を始めました。
「物事の本質を忘れず、ヒューマニズム、ローテック&ハイタッチを合い言葉に、限りなく建築を愛し、家族を愛し、人類を愛し、ひいては地球を愛し、地域と風土と歴史を踏まえた建築と町づくりを目指す」ということが、アーキトラスト・上杉建築研究所の基本スタンスと考えています。
流行に左右されない、地に足の着いた、その環境にふさわしいもの、あるいはその人らしいものを創り出す事を常に考え、私どもの設計理念としています。建築はややもすると、社会的に存在そのものが害になることもありますが、「こころあるもの(本当に良いもの)」、「美しいもの(健康なもの)」をみんなでひとつひとつ創り上げていくことで、その周辺が良くなり、町が良くなり、ひいては社会そのものが良くなると信じて小さな看板一つからでも、良いものを作り続けたいと願っています。
さらに、ものを大切にする「こころ」も大事にしなければなりません。世の中は流行をつくり、それを追いかけるシステムに囚われていますが、建物も簡単に破棄するのではなく、古いもの、まだ使えるものはより良く改修し、大切に受け継いで行けるように知恵をお貸しするのも我々の務めと考えております。
永年携わって来た倉敷や足助の「町づくり」あるいは「建築」というフィールドをベースに、私共、アーキトラスト・上杉建築研究所は、少しでも世の中に役立てる活動ができればと願っております。
